製品情報

VR simulatorとは

なぜVR(バーチャルリアリティ)シミュレータが必要なのか?

内視鏡手術や関節鏡手術、そして血管カテーテル治療などは、患者にやさしい低侵襲的な治療として急速に普及しています。そして、気管支鏡・消化器内視鏡検査はがんの早期発見・治療へ向け、ますます重要な役割を増すしてくるだろうと言われています。

しかし、このような手術や治療そして検査は、高度な技能が求められ、そのための特殊な訓練が必要と言われております。

こういった手技の特殊性に加え、「安全」への社会的意識が高まる中、これまでのような手術室や診療現場での教育・訓練には厳しい条件が課され、また、動物を利用しての訓練や実験も、動物愛護の観点や、コスト面での課題から困難なのものになってきています。
そのため、従来の方法に替わる新しい教育・研修方法の検討が、日本だけでなく世界の多くの医学界で進められており、近年では医学教育教材としてのバーチャルリアリティ(VR)トレーニングシミュレータに対する必要性が、強く認識されるようになりました。

開腹手術とは異なった運動能力が求められる内視鏡手術

過去に、手術は、講義で「理論・知識」を学び、手術の助手をしながら徐々に「見て覚える」「少しずつやらしてもらい」ながら技術を身につけなければいけませんでしたが、腹腔鏡手術では、開腹手術に求められていなかった特殊な運動能力が必要と言われています。

開腹手術とは異なった運動能力が求められる内視鏡手術

  • 二次元画像で三次元空間位置を理解する
    モニターという二次元画像を通して、お腹の中という三次元空間を認識する能力で、
    Visual spatial skillsとも言います。
  • 視認(モニター)と器具操作(手)の協調
    目でモニターを見ながら両手と足を協調させ思うように動かす能力で、
    Eye-hand-foot coordinationとも言います。
  • 特殊な器具を使用しての複雑微細な操作
    自分の手ではなく器具を使用しての作業となるので、触覚が無くなると言われています。

VR(バーチャルリアリティ)シミュレータの位置づけ(内視鏡施術において)

VR(バーチャルリアリティ)シミュレータの位置づけ(内視鏡施術において)

VRシミュレータはあくまでもトレーニングカリキュラムの一部分であり、教材の一つです。
シミュレータでしか出来ないこと、シミュレータでは出来ないことを理解し、シミュレータトレーニングの目的と役割を明確にし、他のトレーニングとの組み合わせによる体系的なトレーニングシステムを作ることが重要といわれています。


導入に際しての検討事項は?

近年、内視鏡下手術のトレーニングとしてVRシミュレータを導入する動きが欧米の医療施設で急速に広まる傾向にあり、その体験報告も多くの学会で報告されるようになってきました。それらの報告で「シミュレータ研修導入の成功要因」として次のような事項が指摘されています。

  • 研修・教育全体の中での「シミュレーション訓練の目的と役割」を明確にする
  • 客観的・数値的な研修の到達目標を設定する
  • 短時間の集合研修だけでなく、日常業務の中で手軽に繰り返し持続的にトレーニングできる環境を整える
  • シミュレータは本来自主訓練を前提にしているが、トレーナーの指導下で行った方がラーニングカーブは向上する
  • 院内資格制度、技術認定証など、”モチベーション”を高めるための施策を導入する

カロリンスカ医科大学(スウェーデン)におけるVRシュミレータ内視鏡手術

カロリンスカ医科大学(スウェーデン)におけるVRシュミレータ内視鏡手術

カロリンスカ医科大学先端医用シミュレーションセンターは、常設のシミュレーションセンターとして有名です。現在は学生の学部教育にも利用されています。
専任のトレーナー(医師)が常駐し、いつでも練習が出来る環境を提供しています。2日間の講習会では、シミュレータでの得点を技術認定の条件としており、得点が届かない人は後日、何度でも練習し、何度でも認定試験へチャレンジできます。

※第104回日本外科学会定期学術集会 共催セミナー
Dr.Li Fellander Tsai, MD. PhD
「Effect of Visual-Spatial Ability on Total Performance Score in Endoscopic Simulation Training」より


製品の評価・選択基準は?

機能の評価

VRシミュレータを導入する目的は?VRシミュレータは一般的には次のような目的で使用されています。

  • 1.医学生、研修医の適性評価
  • 2.器具操作の運動能力のトレーニング
  • 3.手術・治療で必要な部分タスク技術の習得
  • 4.手術・治療プロセスの疑似体験
  • 5.テクニックの習得
  • 6.技能レベルの検定・認証
  • 7.熟練医師の術技ブラッシュアップ

性能の評価

訓練プログラムの内容、カリキュラム作成の多様性、画像のリアリティー感、触覚(haptics)のレベル、訓練成果のデータベース・解析方法などが評価項目となります。特に、レベルに合わせたカリキュラムの作成ができるか否かは、大変重要です。製品の特徴があるため、実際に操作し比較評価することが必要です。

早期陳腐化への配慮

医療用VRシミュレータは今後まだまだ進化していくものと予想されます。そのため、導入製品の "現在"の機能・性能の評価と同時に、その装置(=メーカー)のアップデート、アップグレードの可能性など、製品の"将来性"についても評価し、導入製品を短期間で陳腐化させないための配慮も重要です。